2016年1月31日日曜日

甘える

甘えるという言葉は日本語特有であることを
ご存知だろうか?

甘えるを英語に直すと

Depend on 頼る

とか

spoil 子供を甘やかす


とか

whiny 泣き言を言う


くらいで、

子供が親に「甘える」
彼女が彼に「甘える」
みたいなしっくりした訳がない。

cuddle 抱きしめる

が、一番近いかもしれないが、
これは実際体の寄り添いを
指す。


甘えるとは、人が人に「愛情」や「寄り添い」をもとめることで、
肉体的なものより、精神的なものを指すことが多い。

人の好意を受け入れるのも「甘える」と言う。

さて、わたしが「甘え」について書いたのは
病院の先生も言っていたし、
昨日もある看護師が使ったことばだから。


がんの末期であるわたしの母は
日々ベットの上で痛みと戦っている。
今は腕からモルヒネを点滴され、
昨日はわたしが付き添っている間中
うなっていた。

体は動かすことも難しく
目も殆んど開かず
血中酸素が低下したため
酸素マスクをし、
オムツをし、
心電図をチェックするパッチを貼られ、
熱も高く、
床ずれも痛そうで、
息の仕方も苦しそうだ。

わたしの仕事の時間になってもうなっていて
ベットを離れるのがむずかしかった。

看護師に痛みが取れていない事を伝えて
後ろ髪が引かれる思いでその場を去った。

仕事が終わってまた母の様子を見に行った。
面会時間が終わる直前だったので
間に合うか心配だったが・・・・

母は寝ていた。

そこにやって来た夜勤の看護師。
「いつもは静かに寝てるんですよ。
人が来ると甘えるんですよね。
座薬もしてますから大丈夫です。」と言った。

その話し方、表情には
患者の気持ちを理解しようとしている
雰囲気が見られなかった。
この方、月2回しか来ない看護師。
「いつも」が分かってるのかしら?

「甘える?」
じゃ、そばにいないほうがいいって
ことですか?
わたしは反射的にそう思った。

母は24時間痛みと戦っている。
いつも一人で戦っている。

そこに人が来たら、泣き声であろうと
うめき声であろうと、どうにかして
痛みを訴えるのは当然だ。
「甘え」で片付けられるものでは
ないはずだ。

看護師という職業柄
いちいち一人ひとりの訴えに
対応していてはやっていられないのも
分かる。
しかし、「緩和ケア」をしている病院である
限りは、患者の気持ちや家族の気持ちに
鈍感になってはいけないと思う。

少なくとも、発する言葉だけには
細心の注意を払ってほしいと思った。

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English Fun Party

 3月31日、4年ぶりにパーティを開きました!! 英語を使ったチャンツ、詩の朗読、劇、歌、手遊びなど、みんなで楽しむことができたと思います。 来年に向けて反省点はたくさんありますが、演じる人も見る人も楽しいパーティにできたらと思います。