中学生のスピーチコンテストが9月にありますが、長い時間をかけて準備をしている生徒さんがいます。発音矯正、日々の練習を重ね、現段階では、学校の先生が彼の書いた作文を英語に直しています。夫はたいてい、スピーチの原稿を、話す生徒さんと一緒に翻訳をするのですが、この生徒さんの学校の場合は、先生が生徒と対面することなく、一人で翻訳するようなので、ちょっと心配ではあります。
さて、スピーチの練習には、実際のスピーチで練習するのが一番いいと思うので、アップルの創始者、スティーブ・ジョブスの大学の卒業式での演説を練習に使用することにしました。
スティーブ・ジョブスのスピーチは、過去のすべての失敗や苦い経験が、現在の成功にどのように繋がっていくかといった内容です。とても良い内容なので、シャドウイングをし、レシテーションといって、空で言えるように指導しています。
このスピーチは3つの部分に分かれており、最後の部分は「死」についてです。その中でわたしが一番心に残った言葉は、「死は最高の創造物」という言葉です。
今日が人生最後の日と思って生きることで、無駄なプライドや恥を考えて決断、選択しないでよくなる。普段自分で何かをする際に、そういった無駄な壁はなんて大きいことだろうか。それで戸惑って結局何も決断せずに終わっていて前に進めないことが多い。
さらに、死がなければ、生きる目的もなくなる。何かをこの世に残していくために、考え、語り、創造する必要がなくなる。生活にメリハリもなくなるだろう。何万年も前の人間と同時に生きるなんて考えられない。やはり、人間は「死」という区切りが必要だというこです。
中学生には大分深い内容ですが、この生徒さんは楽しんでやってくれています。もうすぐ自分の実際のスピーチの練習に入るので、それまではがんばってもらおうと思います。