イギリスのタイムズ・ハイヤー・エデュケーション
(英米系のイギリスのタイムズが新聞の付録冊子
として毎年秋に発行している高等教育情報誌。)
「これに続いて、英語のみで行う学部プログラムの作成を目的とした
しかし「国籍唯一の原則」にこだわり「二重国籍」を排除しているため、
世界のトップ大学がひしめく英国では世界中の頭脳を確保するため、
世界の大学・大学院の学生数はこの10年で倍増しており、
として毎年秋に発行している高等教育情報誌。)
が発表した2016年の結果で、日本の大学は
東京大学と京都大学が上位200校に入ったものの、
去年と比べ、勢いが増しているとは言い難い。
日本の大学政策についての編集長パティ氏の言葉を
ここに貼り付けることにした。
「日本政府は日本の大学制度の欠点を認識し、改革に取り組んでいます。
日本の大学は資金不足で、概して海外の才能を取り込むことや、
研究者に対して海外の同僚と共同研究を奨励することが上手ではありません。
そこで2014年、政府は世界規模での競争と国際化のための
特別資金提供プログラムを立ち上げました」
「これに続いて、英語のみで行う学部プログラムの作成を目的とした
グローバル30プロジェクトが策定されました。
日本は上位980校のリストの中に69校も入る素晴らしい成績を残しており、
アジアでは最も多くの大学がランク入りした国でした。
上位400校の中に昨年は6校入っていましたが、今年は8校入っています」
日本の上位大学がふるわない理由ははっきりしています。
民進党の蓮舫代表の「二重国籍」問題でも明らかになったように、
社会に血統主義が根強く残り、排他的な「純血主義」がはびこっているからです。
蓮舫代表が首相を目指すなら台湾籍からの離脱は必須でしょう。
しかし「国籍唯一の原則」にこだわり「二重国籍」を排除しているため、
海外に流出したり、海外で生まれたりした優秀な人材が外国籍を取得した場合、
日本国籍を放棄しなければなりません。
青色発光ダイオード(LED)の開発でノーベル物理学賞を受賞した中村修二氏が米国籍を取得したからと言って日本国籍からの離脱を強制することが賢明なことなのか、考えなければなりません。
日本の伝統的な仕組みは人やモノ、資本が自由に行き来する
グローバル時代に全く対応していません。
才能はより良き環境を求めて移動していきます。
日本の大学が地盤沈下しているのは、言葉や伝統、文化の壁が高く、優秀な人材が海外から来にくいからです。
世界のトップ大学がひしめく英国では世界中の頭脳を確保するため、
恐ろしいほどの勢いで大学に資本が投じられています。
一方、日本では少子化による人口減少で大学ビジネスの成長が期待できず、
大きな投資を呼び込めていません。
日本の大学のランキングを見ても上位校が文部科学省のスーパーグローバル大学トップ型指定校と一致していません。
世界の大学・大学院の学生数はこの10年で倍増しており、
大学には大きなビジネスチャンスがあります。
理系の優位性がまだ残っているうちに、
グローバル化への対応と人材確保、資本投入、成果主義を徹底しないと、
日本の大学の上位校の地盤沈下は止まらないでしょう。
大学のグローバル化に順応できなければ、グローバル人材を養成するのも無理な話だと思います。
日本はグローバル化にまだまだ遠い。