昨日のブログに娘の卒業式のリンクを貼ったが、高校で留学させることのメリット、デメリットについて忘れる前に書いておこうと思う。
2017年3月に日本の中学を卒業し、次の日に米国へ。
娘は初めての寮生活で不安で一杯だったものの、夏休みに一時帰国するまで学生生活を楽しんだようだった。
9月になり、再度アメリカに飛び、寮のキャンプに始まり様々なイベント、グループに参加した。勉強はESLクラスで初めてのスピーチをし、日本で学んで来た恥ずかしいという気持ちが自信のなさととらえられ、自分の殻を破るのに必死だった。
サンクスギビング、クリスマス、イースター、春休みは1週間または2週間の休みになるので、そのたびに寮を出なければならず、行き先を探すのに一苦労だった。クリスマスは長いので、一時帰国した。
結局2017,2018,2019年はクリスマスと夏休みに帰国したので3年間で計6回往復したことになる。留まる選択もあったが、適当なステイ先が見つからなかったため、仕方なしの決断だった。
日本の高校にはないカリキュラムとしては、高校全体の社交ダンスと芸術を選択した生徒たちによる舞台での発表、そして演劇である。演劇はバックステージから演劇まで、専門の先生が指導し、かなり迫力があるようだ。オーディションをして配役を決め、上手な子の演技はプロなみである。
学期ごとの芸術発表では、ダンスやオーケストラ、歌が披露される。社交ダンスは男子が誘うダンス、女子が誘うダンスがあり、大人顔負けのドレスとスーツでディナーを食べ、ダンス会場に出向く。娘は参加しなかったが、毎年ヨーロッパ旅行も企画されている。
このような社交の「楽しみ」が、日本の高校にないのは残念。自分を表現することに自信が持てるようになり、特に娘はシャイだったので、担当の先生から「君のように自分に自信のない子は初めてだ」と言われ、ショックを受け、と同時に色々考えさせられたようだ。
親から見た高校留学のメリットは、子どもの大きな成長だ。
寮生活だったこともあり、自分の身の回りのことは自分でしなければならないことはもちろん、ルームメートや寮生、同級生たちとの関わりは日本とは全く違い、待っていては友達はできないし、日本人同士の感覚のようなものは全く通用しない。
日本ではKYな人を嫌がるが、アメリカでは空気を読むこと事態がばかげており、自分の意志をはっきり言わないといけない。そういう点で、自分を見なおすよい機会だったと思う。
デメリットは旅費がかかったこと。娘の場合は二重国籍があるということと、学校が属している教会の会員であることが幸いして、学費はかなり安くしてもらえたが、外国籍での留学はもっと高いと思う。
それと、親としてはやっぱりさびしい。子どもは学校の環境にすぐ慣れるが、わたしたちは娘がいなくなって夫と二人きりの生活になってしまったので、その新たな環境に馴染むのに時間がかかった。
そして食べ物。アメリカは食文化が日本ほど繊細ではないので、食べ物には苦労していたようだ。野菜好きの彼女にとっては、大打撃。新鮮な生野菜のサラダなどほとんど皆無。しおれてへなへなになった野菜がサラダに出るのだから、びっくり。寮に帰った日はいつもピザとコカコーラとか、そんな感じだ。
デメリットではないが、サポート体制は必須である。3年間、毎日のようにラインで様子を聞き、悩みがあれば相談に乗り、そのたびにポジティブ思考になるように応援していた。
問題が起こった時にはすぐ担当の先生に連絡をすべきなので、親も英語力は必修だ。納得のいかないことは日本でもアメリカでもそのままにしておいてはいけない。
今回はコロナのせいで4月初めに帰国したため、春学期がまるまるオンラインになり、最後のダンスパーティなどのシニア(4年生)だけの楽しみが全て失われたのは誠に残念だった。
卒業式もオンラインとなり、卒業証書はドライブスルーで取りに行った生徒もいたが、外国人の生徒は皆帰国してしまい、取りに行くことができなかったのも、残念だった。
高校生は親からさらに離れる時期である。友達が一番である時期。親から離れるのはまだ早いと思う人は多々いるが、彼らの心はもう大人である。親が介入することで、子どもの成長を阻んだり、互いに口が聞けなくなったりすることは多い。そんな時期に離れることで、子は親の存在のありがたさについて知る機会になり、親も子どもを信頼することを学ぶ。わたしたちは最高の選択だったと思っている。
娘も、自分の子どもはその高校に入れると言っているので、学校の教育もよかったのだと思う。学校選びが一番大切かもしれない。
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